大赤斑タイム 2024/11/10(土)

満月2日前の月明かりで銀河・星雲を 2024/8/18(日)

 二日後に満月という月の明かりを浴びながら銀河・星雲を観察しました。函館は雲に覆われる夜が多くてほぼ10日ぶりの天体観察です。熱中症アラートが出ないのは助かるのですけどね。
 星が見えない夜はStellariumで面白そうな天体を探してるのですがケフェウス座とはくちょう座の間に興味深い対象を発見。散開星団と銀河が隣り合わせになっている天体がありました。ケフェウス座の散開星団 NGC6939と花火銀河 NGC6946(Caldwell12) です。焦点距離120mmのSVBONY SV165なら1/1.8インチセンサーのPlayer One Neptune-C2でも両方を画角に収められるはずです。

本日の使用機材は以下の通りです。

  • 経緯台 SkyWatcher AZ-GTi
  • 主鏡 SkyWatcher Mak127
  • 主カメラ Player One Uranus-C アクティブ冷却システム付
  • 主鏡 補助レンズ Sightron レデューサー 0.75x
  • 主鏡 フィルター SVBONY SV220,Sightron IR640PRO
  • ガイド鏡 SVBONY SV165(30mm口径)
  • ガイドカメラ Player One Neptune-C2
  • ガイドカメラ フィルター Sightron IR640PRO

 

 NGC6939とNGC6946を同時に見るのはガイド鏡だけを使いました。だからオートガイドも冷却システムもなしです。熱ノイズの出やすいカメラなので本当はダークをちゃんと撮るべきだけど全体を見られれば良いので手抜きしてます。だから熱ノイズがあちこちに。センサー温度は30℃近くまで上がってました。でもちゃんと両方写ってます。東側が散開星団 NGC6939 、西側が花火銀河 NGC6946 。
設定は以下の通り
  • 外気温 22.6℃
  • センサー温度 29.3℃(冷却機能なし)
  • オートガイドなし
  • ディザリングあり
  • σクリッピング
  • アナログゲイン 250
  • オフセット 9
  • 露光時間 2.0秒 X 127フレーム
  • 総露光時間 4分14秒
  • ダーク補正 Hot and Cold Pixel Removal
  • フラット補正 なし


 
次にそれぞれを撮ります。焦点距離1500mmのSkyWatcher Mak127 に Sightron レデューサー 0.75x を合わせて焦点距離を1125mmにしてます。これならMak90より明るく見えるはずです。周辺減光はあったけど0.5xに比べて周辺の歪みは少ない気がします。
 主鏡のカメラPlayer One Uranus-C にはレデューサーの先に赤外線パスフィルター Sightron IR640PRO を取り付けてます。

 

 まずは花火銀河 NGC6946 です。PHD2オートガイドは今回も暴れまくりで仕方ないからガイドを使わずディザリングだけにしてます。ズレていくので雨降りのようなノイズが乗ってます。思っていたよりも暗い天体でライブスタックしてもなかなかはっきりと姿が見えませんでした。画像処理でなんとか渦巻き構造が見えました。

設定は以下の通り
  • 外気温 22.2℃
  • センサー温度 25.4℃ アクティブ冷却システム
  • PHD2オートガイドなし
  • ディザリングあり
  • σクリッピング
  • アナログゲイン 350
  • オフセット 30
  • 露光時間 3.4秒 X 72フレーム
  • 総露光時間 4分1秒
  • ダーク補正 Hot and Cold Pixel Removal
  • フラット補正 なし


 そして散開星団NGC6939 です。StellariumにはGhost Bush Cluster と書かれてます。ガイドは途中までは何とか機能していました。ガイドが破綻する原因はまだ分かりません。
設定は以下の通り
  • 外気温 22.9℃
  • センサー温度 25.4℃ アクティブ冷却システム
  • PHD2オートガイド(途中で破綻)
  • ディザリングあり
  • σクリッピング
  • アナログゲイン 350
  • オフセット 30
  • 露光時間 3.4秒 X 19フレーム
  • 総露光時間 1分4秒
  • ダーク補正 Hot and Cold Pixel Removal
  • フラット補正 なし



 まだまだ頑張っちゃうよ。続いてはぺガスス座の球状星団 M15 です。散開星団 NGC6939 の方が大きく見えていたのは意外でした。
設定は以下の通り
  • 外気温 22.9℃
  • センサー温度 25.4℃ アクティブ冷却システム
  • PHD2オートガイド(途中で破綻)
  • ディザリングあり
  • σクリッピング
  • アナログゲイン 350
  • オフセット 30
  • 露光時間 3.4秒 X 76フレーム
  • 総露光時間 4分15秒
  • ダーク補正 Hot and Cold Pixel Removal
  • フラット補正 なし

 そろそろ最後にしようかな? 昨年12月に撮影したけどバブルの形が見えなかったカシオペヤ座の散光星雲 NGC7635、バブル星雲と呼ばれて有名です。ガイディングの設定でディザリングの間隔を伸ばしすつディザリングの移動量を少なめにしたら割と安定したので長めにライブスタックしようと思った矢先、またもやSynscan USBのケーブルをうっかり踏んで抜けてしまいました。今回はケーブルを繋いでSynscanを再起動してもアライメント情報が保存されておらず、アライメントからやり直しに・・
でもお陰で焦点距離の長いMak127でもガイド鏡のカメラでプレートソルブしてから主鏡のカメラに切替えて再度プレートソルブをかけると容易に天体導入可能なことが分かって怪我の功名です。焦点距離の長い鏡筒はプレートソルブの失敗が多いんです。

 やり直してからライブスタックしたのがこれ。ゲインを上げて1回の露光時間を短く、スタック枚数を多くしてみました。バブル構造が何とか写ってます。フィルターは半値幅7nmのデュアルバンドSVBONY SV220。
10分以上スタックしたらそのうちガイドが不安定になって端がどんどん欠けて来るので終了。
設定は以下の通り
  • 外気温 21.1℃
  • センサー温度 24.1℃ アクティブ冷却システム
  • PHD2オートガイド(途中で破綻)
  • ディザリングあり
  • σクリッピング
  • アナログゲイン 450
  • オフセット 33
  • 露光時間 3.4秒 X 178フレーム
  • 総露光時間 10分6秒
  • ダーク補正 Hot and Cold Pixel Removal
  • フラット補正 なし
これからまた星の見えない日々が続くようです。どうして満月あたりは良く晴れるのかな?

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