ある雨の日銭湯から帰ると玄関の前に猫が１匹いました。私が玄関を開けると一緒に入ってきて部屋の入口を開けるとその猫は私より先に部屋に入って１周まわって見渡すと出て行きました。しばらくすると再びやって来たんだけど今度は子猫を咥えています。子猫を押入れの下段に置くとまた出て行って次々と５匹連れてきました。
それから猫一家との奇妙な同居生活が始まりました。トイレはというと窓を開けてくれと言うので開けると外へ行って用を足して戻ってくるので部屋を汚される心配はありません。私が不在の時は窓を少しだけ開けておきました。盗まれる心配のあるものなんてありませんでしたからね。ただ困ったのはノミです。寝ているとカーペットから出てきてあちこち刺すんです。夜中にノミが飛ぶとパチっと音がするんですよ。ノミは友人が蚤取粉を撒いてくれたのでそれ以降は出なくなりました。５匹の子猫のうち１匹はとても小さくて母猫の乳を吸えず次第に衰弱して死んでしまいました。３ヶ月くらいで残りの４匹はすくすく育って良かったのですけど、猫って夜行性なんですね。昼は寝ていて深夜に起き出してにゃーにゃー鳴いて騒ぐんです。実験レポートと実験の下調べ、試験勉強で疲れ果てて寝ていると猫に起こされて睡眠不足に陥り、済まないけどもういいでしょと窓から外へ出してやりました。それから時々は窓から入ってくるんだけどまた出してやるという繰り返しでそのうち部屋に来ることはなくなりました。でもアパートの庭に住んでいて時々紐に鈴をつけたのを振り回して遊ばせたりしてました。
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