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さて、宇宙船内で人口冬眠から目覚めたグレースは次第にプロジェクト・ヘイル・メアリーに加わっていたことを思い出します。だけど宇宙船に乗った記憶はありません。
しかも驚いたことにあと2名のクルー・船長とエンジニアは人口冬眠中に何らかの原因で死亡しており、たった独り宇宙船の中。
回想は中学校で子供たちに科学の授業をしているシーンから始まるんだけど。音の振動で振動板上の砂が幾何学的な図形を描く現象について教えています。これクラドニ図形と呼ぶらしい。実はこのシーン、後で出てくるエイリアン・ロッキーとの情報共有に必要な重要な伏線になっています。それについてはまた後で書きます。
回想中にアラームが鳴り、タウ・セチに近づいたのでエンジン停止しますというAIからのメッセージ。カウントダウンがゼロになりエンジンが停止すると無重力状態に。
これ何故宇宙空間にいながら重力があったのかというとエンジン噴射で減速し続けていたからです。2026年現在の実在する有人宇宙船は地球から打ち上げられて地球の周回軌道に乗るまでは燃料を噴射してクルーは3.5~4.0Gの加速度を受けるため重力は3.5~4倍になります。そして軌道に乗るとエンジンは停止して慣性航行、無重力状態に。その後は周回軌道離脱や軌道修正、大気圏再突入時に燃料噴射するんだけどヘイル・メアリー号は光速近くまで加速するため目的地への中間地点までは加速し続け、それからは減速し続けます。減速しないとあっという間に通り過ぎちゃうからね。そんな長時間噴射できるのもアストロ・ファージの莫大なエネルギーがあるからです。加速中は宇宙船の後方に向けての重力、減速中は前方に向けての重力を感じます。だから前半は居住区の床を後方に、後半は前方に向けると良いわけですね。だから宇宙船内は垂直の塔のような空間に感じられるはずです。
実際、エンジン停止するシーンをよく見ると星が後方から迫ってくるように動いているのが分かります。後ろ向きに飛んでたのですね。
タウ・セチの周回軌道に乗ってエンジン停止すると無重力になるけどヘイル・メアリー号は居住区をワイヤーで船体の前方で船体に対して直角の方向に固定できる構造になっていて船体を回転させることで居住区に人工重力を発生できるようになっているようです。この場合は加減速の時と重力方向は90°異なり塔のように昇り降りしていた居住区が廊下のようになります。
そしてここからが面白いんだけど光速に近いスピードで11.9光年を進むと特殊相対性理論から導かれるローレンツ収縮という現象が起こって、不思議なことに船の外から観測する人には11.9光年を12年以上かけて進んだと見えるのに船内ではタウ・セチまでの距離が短く観測されてたった4年で着いちゃう。ホント不思議ですよね。クルーには4年なのに地球では12年以上経ってる。これがウラシマ効果です。
さて到着したタウ・セチにもペトロヴァ・ラインが伸びてました。でもよく見ると宇宙船のような物体が・・
怖くなったグレースが逃げようとして宇宙船を手動操縦するんだけど相手の宇宙船も追従してきます。
このシーンが面白いのは船内に浮游する物体の動きが断続的なエンジン噴射に伴って右へ左へと動くところです。リアルですね。
そして未確認宇宙船から小さな物体が飛んでくるけど1個目は速くて船体に当たって跳ね返ってしまい、2個目は決死の宇宙遊泳でキャッチ。船内に持ち込んで調べるとキセノンでできているという分析が。キセノンって希ガスですよね。どうやらキセノンを固体化する技術を持っているらしい。グレースはこの物質をキセノナイトと命名。容器らしい物体は逆ネジで空くようになっていました。開けた途端クッサー!と叫ぶグレース、アンモニアのようです。中にはペトロヴァ・ラインと天体の模型が入っていました。天体模型をAIで調べたらエリダニ40(エリダヌス座40番星、地球から16.31光年)と。余談ですがエリダヌス座40番星?聞き覚えがあるなと思ったらスタートレックのスポックの惑星バルカンの母星でした。
つまりそこから同じ目的で来ていることが判明。グレースはその惑星をエリド、住人ををエリディアンと呼ぶことに。そしてエリディアンこそがグレースが論文で存在を予言していた非炭素系・非水ベース生命体なのでした。原作によると血液の媒体は水銀なんだって😐

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