待っていた花が咲いたよ 2024/5/1 水

バイクの光軸検査についての考察

バイクのユーザー車検で光軸検査が難関であることは良く知られているところであります。

バイク業者に光軸調整をお願いした時に、そこでの光軸検査機はタイヤを固定して測定するので函館運輸支局の検査機とは結果が異なる場合があると聞きました。すなわち光軸調整をしたにもかかわらず検査で不合格が出ることがあるのだそうです。実際、光軸調整をやってもらった直後に再検査にいったけど最初は不合格で、バイクの向きを正すように言われて合格できたわけです。

そこで光軸調整が適正であっても不合格が出る場合について考察してみました。

光軸調整の規定はバイクを水平な場所に垂直に立てて10m先で水平は左右20cm以内、垂直はヘッドランプの高さと同じから1/5下までの範囲に収まる必要があります。

この範囲はどのくらいの角度に相当するか計算してみると水平で左右各1.146°、垂直で水平から下に0.957°となります。

タイヤを固定しない場合、バイクの向きがきっちりと正対する必要がありますが、

水平方向
左右いずれかに1.146°ずれるときの前輪の側方への変位を計算してみましょう。ER-6fのホイルベースは141cmなので、それを基に計算してみると2.8cmでした。
つまり白線の範囲内で前輪か後輪が3cmずれると完全にアウトということになります。バイクを降りて前後のタイヤの位置を必ずチェックすると良いでしょう。

垂直方向
垂直に0.957°ずれるにはフロントフォークまたはリアサスが2.35cm縮むか伸びる必要があります。
バイクは人が乗るとリアが沈みますね。体重が大きいほど変位は大きくなります。
私が光軸調整を頼んだ業者は光軸検査は乗らずに横に立って受けると言ってました。

また、バイクを止める際、ヘッドライトの位置が正しい位置になるまでゆっくりとバイクを進めて行き、電光掲示板のストップの文字が光る場所でブレーキを掛けますね。フロントブレーキを掛けるとバイクは少しお辞儀をした姿勢になり、ブレーキを解除すると元に戻ります。ブレーキレバーを握ったままにしているとフロントフォークは縮んだ状態を維持します。
光軸が上下で不合格になる場合、私の経験では全て下方向だったのですが、これが原因ではないかと思います。停止した後ブレーキレバーを一度緩めるということを心がけるとよいのではないでしょうか?

というわけで光軸検査を一般ユーザーが受ける場合の再現性は意外と低いのではないかということ、業者の人達は微調整のノウハウを持っているので対応できる。検査官もこの再現性の低さを自覚していて、ユーザー車検で自分で光軸調整した人は多分いいかげんで、業者にやってもらっていれば合ってるんだろうという先入観を持っていると考えられます。いつも「光軸は自分でやったの? バイク屋でやってもらったの?」と聞かれるのはそのせいではないかと勘ぐってしまうMartianでありました。


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