待っていた花が咲いたよ 2024/5/1 水

BS世界のドキュメンタリー「キング・コーン~とうもろこしの国を行く~」

BS世界のドキュメンタリー「キング・コーン~とうもろこしの国を行く~」

食料の大量生産がもたらした「豊かさ」はとても大事なものを失うという代償の上に成り立っているのではないかという問題提起をしているドキュメンタリーでした。

現在のアメリカ国民の可処分所得に占める食費の割合はとても低いのだそうです。
安い食料生産を可能にした結果なのですが、このドキュメンタリーではトウモロコシの大量生産体制が作り上げたものを明らかにします。
従来の品種改良と遺伝子操作で「改良」された米国のトウモロコシは、北海道で「ゆでキビ」として売られている美味しいものとはかけ離れたもので、
直接食べるには不味すぎだそうです。どのように利用されるかというと、澱粉を量産するための工業原料(これは甘味料やアルコールの原料)
、または家畜用の飼料になります。牛はもともと牧草を食べる生き物ですが、トウモロコシを飼料にすると安い肉が早く生産できるわけです。本来、歩きまわって牧草を食べていた牛は、狭い場所で運動することなく穀物を食べ続けるわけです。こうすると筋肉の中に脂肪を多く含む牛ができます。ちなみに生物学的には筋肉組織の中に脂肪組織が入り込んでいるのは異常な状態です。

穀物で牛を育てると胃の中の微生物が酸を生成して胃潰瘍になってしまうので微生物を殺す抗生物質を大量に混ぜたものを食べさせます。しかも脂肪は飽和脂肪酸の割合が多くなります。飽和脂肪酸は虚血性心疾患のリスクを高くします。
この牛の肉は挽肉として消費され、代表的なものはハンバーガーの肉です。肉というより脂肪の塊みたいな状態だそうで。

トウモロコシから作られるコーンシロップは色々な食品や飲み物に使われます。代表的なものは炭酸飲料に含まれる甘味料とのこと。
すなわち炭酸飲料を飲みながら脂肪を衆く含む安い肉を使ったハンバーガーを食べるという食生活はトウモロコシの大量生産がなせる業で、
糖尿病や心筋梗塞のリスクを高いものにしている。

トウモロコシを生産する農家では美味しいものを作ろうという誇りは既になく、お金のために工場行きのトウモロコシを国の補助金をもらって生産しているというお話でした。


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