待っていた花が咲いたよ 2024/5/1 水

47年前の遊楽部岳での滑落事故の経験 (その1)

 2019/10/28に富士山頂付近からニコ生中継で「滑る!」という言葉を遺して最期の瞬間をインターネットに公開してしまった人の残念なニユースがありました。この件についてはもう何も言うことはありません。ただ私に深い印象を残したのは日常的な山行が一瞬で絶望に変わる危険があるということを思い知らされたことです。少し前には黒部峡谷でも相次ぐ滑落事故のニュースが流れていました。

 私も高校1年(昭和47年(1972)9月24日)に遊楽部岳で沢登りの高巻き中に草付と呼ばれる状態の場所から滑落した経験があります。その山行では3回死神の鎌をかいくぐることになりました。生きていたのは、たまたま運が良かったというのが事実です。

 その時のことを思い出して記録しておこうと思います。

入山
 当時はまだ国鉄瀬棚線がありました。国縫から北桧山(現在はせたな町)まで列車で行けました。北桧山から朝1番のバスで八雲に近い登山口(道道42号線沿いで現在のせたな町、八雲町、今金町に接するあたり)から入山。確か7人のパーティーだったと思います。この時に通りがかった人から、
「あんたたちは運がいいね。この山はいつも雲の中なのに今日は頂上まで見えてるよ。」
と言われて気を良くしたのもつかの間、歩くうちに雨が降り始めました。

沢に入る
 沢に入って沢沿いにある幕営地でキャンプのはずでしたが、沢に入るポイントを間違って手前の違う沢に入っていたようです。これからが苦難の連続になります。
滑落はその2に書きます。
(その2へつづく)

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