ソメイヨシノ・八重桜・枝垂れ桜も咲いてる 2024/4/26 金

キャノネットの思い出

 1961年に発売された中級35mmカメラ第一号です。当時の値段は18,800円、安い!と思った人はその頃の若いサラリーマンの平均月収がそれくらいだったと聞いてどうですか? 今ならさしずめEOS 6Dクラスでしょうか?
 それでもそのスペックではかなり破格だったらしく飛ぶように売れたそうです。今は亡き父がこれを持っていました。

私が小学校高学年の頃には一緒に山に連れて行って撮り方を教えてくれました。フォーカスは二重の画像を一致させる形式で今私が使っているカメラより判りやすかったように思います。露出、シャッター速度設定がまずいとファインダー内に赤い丸がベロのように出てきてシャッターが切れないようになっていました。中学校の頃には私が自由に使うのを父が許してくれたのですが、現像に出しに行こうと走って家を出た途端滑って転び、壊してしまいました。
カメラ屋に修理を頼みに行った父は、
「もう直らないってさ。」
とだけ言って悲しそうな顔をしていましたが私を一切咎めもしませんでした。運転免許も車もなかった父の宝物だったに違いありません。申し訳ないことをしたと思います。

今の私が自分のカメラを子供たちが壊してもそのようにできるでしょうか? それも月収ほど高くないカメラですけどね。

父よあなたは偉かった!




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